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薩摩切子の美しさにメロメロ✨ 磯工芸館・後編  鹿児島旅行⑧

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おはようございます!Micandaです。

今日も前回に続き、鹿児島県の磯工芸館で出会った薩摩切子について綴ります。
薩摩切子は小さなお猪口でも3万円くらいしていました。
他の切子より「0(ゼロ)」が一つ多いそうです💦
磯工芸館でお話を聞いた時はビックリしたのですが、今回薩摩切子について調べていくうちに納得しました。
そして、薩摩切子の魅力にさらに憑りつかれてしまいました。
今日は薩摩切子が出来上がるまでの工程や江戸切子との違いになどについて綴ります。

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薩摩切子が出来上がるまでの工程

切子はまず生地作りで器を作り、そのあとガラスの表面を削って模様をつけていきます。

生地作り(吹きガラス)

①たね巻き…溶解炉で溶かされた色ガラスと透明ガラスをそれぞれ別の竿に巻いて取り出す。(作業中のガラスの温度は約1100℃! ガラスが縁日の練り飴みたいでした。)

②色かぶせ…色ガラスを型に吹いて、その中に透明ガラスを流し込んで2層にする。

③成形…型で成形し、その後、口元を広げて成形する。(直接④の徐冷に進むものもある。)

④徐冷…約16時間かけてゆっくりと冷ます。こうすることで生地の歪みを除くことができる。

⑤生地検査…出来上がった生地をチェックする。この過程で合格した生地のみ加工作業に進む。

加工(カットガラス)

①当たり…油性ペンでカットする柄に合わせて分割線を引く。

↑右が分割線を引いたものです。
影のほうがわかりやすいですね。

②荒ずり…ダイヤモンドホイールを高速回転させてガラスの表面を削り、模様をつける。
(下の写真、左側)

③石掛け…細かい砥石を回転させて、細かい模様を仕上げる。(↑上の写真の右側。)

④木盤磨き…青桐の円盤を回転させて、磨き粉をつけながら線や面を磨く。(樹脂やフェルトでできた道具を使うこともある。)

⑤ブラシ磨き…ブラシ状の円盤を回転させ、磨き粉をつけながら更に細かいところまで磨く。

⑥バフ仕上…最後にツヤを出すため、布製の円盤を高速回転させて仕上げる。

⑦製品検査…サインを入れて出荷。

↓どこの工程か忘れましたが💦、こんな感じで作業されていました。

色ガラスは作る色に合わせて着色剤(金・銅コバルト・マンガン)を選び、必要な原料を混ぜ合わせて高温で溶かすそうです。

薩摩切子の色について株式会社 島津興業のリーフレットに分かりやすく載っているので、引用します。

色の種類

紅・藍・緑・黄・金赤・島津紫の6色を製造。
紅は、薩摩藩が日本で初めて発色に成功した色で、「薩摩の紅ガラス」と珍重されました。
黄色と赤金は「幻の色」と言われ、島津紫は2005年に開発した新色です。
また異なる2つの色を重ねる新しい技法で、「2色被せ」と呼ぶ瑠璃金・瑠璃緑・蒼黄緑も作っています。

2色被せの切子はどの色もとても美しいのですが、私は特に瑠璃緑が、夫・ナリは蒼黄緑が気に入りました。
ちなみに瑠璃金が一番お高かったです。

島津興業さんのウエブサイトに写真が載っていますので、興味のある方はご覧ください。→株式会社島津興業ウェブサイト

ウェブサイトのギャラリーの作品紹介ページを見て、またうっとりとしてしまいました。

薩摩切子と江戸切子との違い

どちらも江戸時代に誕生したのですが、生い立ちや佇まいなどの違いがあります。
薩摩切子については株式会社島津興業、江戸切子については江戸切子協同組合のウェブサイトを参考に綴ります。

誕生

薩摩切子は薩摩藩の近代化・工業化事業の1つとして誕生しました。

一方、江戸切子は江戸 日本橋のビードロ職人・加賀屋久兵衛(かがやきゅうべえ)が金剛砂を使ってガラスに彫刻を施したのが始まりで、江戸切子は町職人さんによって受け継がれてきました。

薩摩切子は藩の方針で誕生から20年ほどで途絶えてしまいましたが、江戸切子は途絶えることなく現在まで続いています
現在作られている薩摩切子は復刻復元品です。

そして、薩摩切子が輸出品や身分の高い人たちの鑑賞用であったのに対し、江戸切子は日常的に庶民にも使われていたそうです。
庶民の食卓にさりげなく江戸切子が登場するなんて、今の私たちより豊かな食文化を感じます。

色ガラス

薩摩切子は色ガラスに彫りを施すのに対し、江戸切子は色ガラスだけでなく透明ガラスにも彫りを施していたそうです。
江戸切子も現在では色ガラスに細工を施すものが多いようです。

薩摩切子も江戸切子も色被せによって色ガラスと透明ガラスの層を作って、外側の色ガラスを彫っていくのですが、色ガラスの厚さが違うのがポイントです。
薩摩切子は色ガラス部分が厚く、江戸切子は色ガラス部分が薄いのです。
江戸切子協同組合さんのウェブサイトに分かりやすく説明されていますので、引用します。

・薩摩切子

厚い素材に切子をしており、色被せガラスへの加工部分が「ぼかし」と呼ばれるグラデーションの仕上がりとなる。

・江戸切子

カットは深く鮮明で正確であり、仕上がりがはっきりとして華やかである。

薩摩切子も江戸切子も共に美しいのですが、私は違った美しさを感じます。
薩摩切子がシャクヤクや牡丹(ボタン)の花のようなゴージャスな美しさを感じるのに対して江戸切子は朝顔やハナショウブのように粋でキリリとした美しさを感じます。

さて、薩摩切子の引用部分に出てくる「ぼかし」とはなんだろう?と思われたかもしれませんね。
分厚い色ガラスを斜めにカットするとガラスの厚みの違いでグラデーションができます。

ぼやけてて分かりにくいですが、濃い赤と透明の間がなんとなくグラデーションに見えるかと思います。
これが「ぼかし」です。
色ガラスが厚くないと「ぼかし」はできないので、「ぼかし」は色ガラスが厚く作られる薩摩切子の特徴となるです。

こういった違いがありますが、薩摩切子も江戸切子もどちらも優れた美しい工芸品です。
どちらもさまざまな彫り柄(紋)があり、美しくてとても素敵です。

江戸切子について調べてみると今度は江戸切子のギャラリーや工房も訪ねたくなってきました。
江戸切子づくりの体験も発見しましたよ。
私はこの手の作業は苦手なので💦、興味のある方は参加されてみてはいかがでしょうか?
(切子とは関係ありませんが、私は中学の美術の授業で電動糸鋸の刃を3本も折って、先生に呆れられました💦)

江戸切子の店 華硝さんの制作体験について詳しくはこちら→江戸切子の店 華硝のウェブサイト

私は現在休止中の日本酒イベントのほうが興味があります(笑)
華硝さんの3種類の江戸切子で日本酒を楽しめるイベントのようです。
再開したらぜひ行ってみたいです。

それと自宅でも切子でお酒を楽しめたら素敵ですね。
私が今、狙っているのはこの薩摩切子です。

何度見ても美しい✨
楽天でも買えるんですね。

今日も最後までお付き合いくださりありがとうございました。
それではまた…

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